Twitterに吐露する気分ではないので、こちらに書きます。

Basic010

エロゲメーカーminoriさんが2019年2月末に制作終了を発表しました。

私が二次元コンテンツに興味を持ったのは、アニメ版のefでした。
私がminoriに興味を持ったのは、ののイヴ発売直前にやっていたnbkzさんのやっていたアングラなニコ生でした。
そこからminori作品のファンをここまで続けてきました。

体験版をやらずとも買うと決めていた唯一のメーカーさんでした。
しっかりと作品を提供してくれるメーカーさんでした。
あのminori作品独特の空気感が好きでした。

今回の新作に関しては、思うことがあって、
ブログを書きました。



ブログ書くときって、なにか思うことがあるときなので、
少し危機感を感じていたっていうのが本音ですね。

ファンになった時点で解散のタイミングを計っていることは、知っていましたし。

制作終了発表に関しては、(実は)数日前に風の噂を聞いていて予測できてはいたのですが、実際に発表されると、心が落ち着かないものですね。


何はともあれ
「これにて『minoriの作品制作』、終幕!」
とのことですので、私が言えることは一言です。

これまで作品を作り続けてくれてありがとうございました。

本記事は、Sonoraの作品『僕の未来は、恋と課金と。―Charge To The Future―』の感想記事です。
一部ネタバレが含まれますので、それを是としない方は、回れ右です。
なお、いつも通り書きたいことを書くだけです。


Basic000

私がこの作品を買うに至った理由ですが、
①エロゲ内にガチャシステムを導入した点が気になる
②体験版の感触が良かった。
の2点です。

体験版をプレイしたときはこのような印象でした。


ただしやや不安要素もあって....
A. 体験版の中身は良かったものの、キャラの配置転換で終わった(ツイートの言及通り)
B. 2ヶ月の延期があった

私は基本的に(minori作品を除いて)体験版で購入寄りかそうでないかを決めることにしています。
体験版こそが「(プレイ感、動作環境を含めて)どういうゲームですよ」っていう自己紹介だと思いますし、そこで自分との相性を確認しています。


※余談ですが、
個人的にはせっかくの自己紹介を無下にして、購入してからクソゲーだと叫ぶんだったら、ちゃんと自己紹介を見てから判断しやがれ!って思います。ぶっちゃけそんな発言をしている時点で、そのゲームが自分に合うかどうかを見抜けないクソ野郎だと自白しているわけですし。


キャラの配置が変わることを体験版終了の「引き」として利用していた本作ですが、
(悪い解釈をすれば)キャラの配置転換の影響は話全体に及ぶことはない(1イベントとして終わる)ため、話の全体像が見えないようにしている、とも取れるので、少し怖かったです。
もちろん、(良い解釈をすれば)話全体を見たときにここまでを体験版として出せば、ユーザーが買ってくれるだろう、という視点で体験版を出したとも取れるんですけどね。

こればかりは作品の制作過程を見ていないユーザーとしては「直感」に頼るしかないんですよね(笑)

で、この悪い解釈と2ヶ月の延期が絡んでいたら、このシナリオの構造がしっかりしていないということになるので、発売日の週まで購入するかどうか迷いました。


ただ、体験版でチェック出来なかった点が一つあって、ガチャの排出率なんですよね。
レアカードの排出なしの状況だったので、ガチャシステムの調整に手こずった可能性があって、そっちだったら文句なく買いだな、という印象でした。

なので、購入した私はガチャに賭けたわけですね。ガチャゲーだけにw






では、中身の話と行きましょう。

推奨攻略順は、
汐里→莉央or梓→菜々→みつき です。

最低でも汐里が最初、みつきが最後が良いと思います(理由は後述)。

今回ルート分岐機能として、「ガチャにて条件を満たす」ことでヒロインルートに入れるというものでした。

具体的には、
汐里:Sphereのカードを6枚以上所持
莉央:Cubeの特定カードを引く
梓:SSRを6枚以上所持
菜々:無課金を貫く
みつき:URミミを引く
というものでした。

これをパッと見たとき、ぶっちゃけみつきルートに入るのが一番キツいんじゃね?と感じると思われる方が多いと思います。実際Twitterでこれに関する批判意見も見ました。

「好きなヒロインを攻略したいのに選べないのはどういうことだ?」

これは制作者も想定できる批判意見だと思いますし、実際これは想定して分岐を仕込んでいると思います。
というのも、実はみつきルートの条件を満たすのは難しくないです。
(試行回数はそれほど多くありませんが)検証したところ、ミミピックアップガチャの回で平均5回くらいやり直せば引けます。

そしてやり直しも、セーブ&ロードを使うよりも、選択肢スキップ(前の選択肢に進む&次の選択肢に進む)を利用すれば、かなり早いです。

気分的にはリセマラ(リセットマラソン)ではなく、10連ガチャを数回引くレベルの感覚です。

そして、どのルートにも入れなかった場合にルート分岐条件のネタバレを見ることも可能です。

以上を踏まえると、ルート分岐に関してはシステムとしてかなり融通の利く形になっていたと思います。とはいえ、ソシャゲ経験がないとこの辺は分かりづらいかもしれませんね。



さて、それでもなお私は、みつきルートが最後推奨と述べました。

これは前述のルート分岐条件の話題がTwitterに挙がっていたときに、
「本当にルート分岐条件を満たすのが難しいならば、シナリオで分岐条件が厳しいに値する内容を持ってくるだろう」という仮説を立てていました。

URミミを引くってまあまあキツい条件に見えます。
だから、そこを満たしてこそのシナリオを持ってくるだろう、という想定です。

実際みつきルートは、(他のルートと比較しても)やや重めの内容だったので、最後に回した方が良いと思います。(とはいえ、「廃課金者ラブコメ」の範疇なので他のエロゲと比較しちゃダメですよ)

各ルートに関して言うなら、みつきと菜々が個人的に評価が高いです。菜々は性癖にドストライクでした。みつきルートは『人気声優の作り方』を想起させる良い内容でした。
どのルートも「ガチャ」が関連しますが、特にこの2ルートとガチャの関係性は良いものだと思いました。



絵に関しては、全体的に塗りが良かったです。
特に、水着立ち絵における身体の描かれ方はエロさがありましたし、コスプレ立ち絵もコスプレのクオリティが高い上で、(元の)キャラクターも失わせない良いものでした。各ヒロインでコスプレエッチシーンがあるのも良いところでしょう。

他BGMや主題歌、UI(ユーザーインターフェース)などなど(悪い意味で)引っかかるところはありませんでした。



ということで、全体として見ると、
ソシャゲガチャネタをシステムとシナリオで上手くエロゲに組み込み、
18禁らしい塗りの強い絵柄でできた良作だったと言えるのではないでしょうか。

体験版でお話のリズムが合うなーって思った方は、購入して損がないエロゲだと思います。

おわり。









追伸

最後に一つだけ制作者の方々へご報告。

一個だけボイスとテキストの不一致を見つけました。
みつきルートのみつき(ミミ)のライブシーンにて
黒うさ「何をいっているんだい、ボクはボクさ。黒うさ中の人などいない!」という台詞ですが、
「黒うさ中の人などいない!」というボイスになってました。
まあテキストをボイスに合わせるべきやつですね(笑)

実はエロゲをプレイしていて、こういうところにまあまあな頻度で気づくんですけど、(ユーザーとして)どうしたら気づかずにいられますかね(笑)

本記事は、minoriの最新作『その日の獣には、』をプレイした感想です。
感想と言いながら、おそらく気になったところに思いっきり言及するだけのやつです。きっと(笑)

内容的にネタバレが入ります。
なので、ネタバレが嫌な人は回れ右を推奨します。

Basic000



その前にminori作品の前提について少し触れておきます。
なお、私の記憶に依存している内容も含まれているので、その点はご了承ください。

①minori作品のシナリオは短い?
minori作品のシナリオ量は2MBはないです。少し前のお話ですが1.5MB前後だと言及されていた時期があったと記憶しています。シナリオが長ければ長いほど良いものというわけではありません。無駄に長ければ締まりがなくなるだけです。一応言っておきますが、元々minori作品はミドルプライスに近い価格帯ですから、フルプライスでぼったくられているわけではないです(笑)

Basic000


②minori作品には周期性がある
私は勝手に「意欲作」と「安定作」って呼んでます。

「意欲作」は、少し挑戦している作品。人を選びうる作品群です。
「安定作」は、安定して強い作品。人気が高くなりやすい作品群です。

1作品ごとに意欲作と安定作をループしてます。最近でいうと『罪ノ光ランデヴー』は前者、『トリノライン』は後者です。
初めてminori作品をプレイする方には、「安定作」に該当する作品をオススメします。

今回の『その日の獣には、』は「意欲作」です。

③minoriの独特なエンジンについて
これは初めての人向けに書いておきます。
オートはAlt+A、スキップはAlt+KまたはEnter長押しです。
Ctrlスキップはききません。ずっとこのショートカットキーなので、私は慣れました。
他にもありますが、とりあえずこの2つだけ把握しとくと良いと思います。
なお、これらのスピードをconfigで調整すればかなりスムーズにプレイできます。













以上を踏まえて、『その日の獣には、』の感想を述べていきます。

推奨攻略順は、瑠奈→舞雪→祈莉の順番です。最後は固定ですが、この順番を推奨します。

総評として端的に述べるならば、
作品全体のレベルが高いがゆえに、描写不足が目立つ惜しい作品でした。


今回瑠奈ルートから入ったのですが、最初に引っかかったのが、付き合い始めて他のヒロインにも伝えた方が良いと言われてからの描写です。
通常、他のヒロインズに話してどうだったか、というお話に移行します。しかしこのルートでは、実際に付き合ったヒロインとの会話でその場面を振り返るだけで、具体的な他のヒロインとの会話描写がありませんでした。(※他ルートではこの描写はありました)
なので、話をゆっくり読んでた身としては、あれ?飛ばしたかな?と思いました。

さくさく読み進められる点で悪いことではないのですが、逆にここまで丁寧に描かれていたがゆえに描写不足とも感じられるものでした。
とはいえ、この作品は「劇本番」という山場があるので、そこにストレートにつながるんだろうな、と思ってプレイし続けました。


・・・・・・

さあ、クロガネとの関係性も決めて、本番。

→→→ 劇の本番の後になってる??? あっれぇ??

久々に肩すかしを食らいました。

・・・・・・

続いて舞雪ルートに進みました。
舞雪ルートでは、舞雪の一途なかわいらしさが良く出ていて、可愛いこと可愛いことこの上ない。
やはりCVくすはらゆい大正義っすね。
そして、劇本番を迎えるところでED。綺麗な1ルートだったと思います。


で、これを踏まえて、先の肩すかしを食らった内容について考察しました。
前提=「最終ルートである祈莉ルートで、劇の内容に触れていく構成である」
これを踏まえると、劇本番を他2ルートで描写しないのは全然ありですね。
ただ、劇本番を軽んじているような見せ方は良くなかったと感じました。
舞雪ルートのように劇本番をEDムービーで挟む方法をとった方が良かったのではないか、と思います。

ミクロ目線だとヒロインの心理描写、マクロ目線だと劇が軸になっている作品だと思います。
なので、ミクロの方に行き過ぎて、マクロの方が弱くなってしまったという印象です。

なお、ヒロインの心理描写が強すぎて、主人公の心理描写が弱くなっている、という欠点もあります。特に瑠奈ルートは主人公の記憶が変化するお話だったので、その辺が淡白になるのは設定上仕方がないことかな、という見解です。




さて、期待の劇描写が入る祈莉ルートに行きました。
クロガネの提示した方向ではない方向に行ったのは、結構意外でしたね。それでハッピーエンドに落とし込んだのは良かったと思います。

ただ、問題は劇の描写。
(共通ルートで触れているから)重複するところを省く見せ方を選んでいたんですね。
重複を省くというよりは、祈莉を強調しすぎた見せ方かもしれません(←全編見直したら加筆修正すると思います)。
この選択は好ましくないと考えていて、
①2ルートやったら、そんなのは曖昧になって、忘れてる可能性がある。
②強いシーンが強くなくなる可能性がある。

要は、読者からすると緩急がなくなるんですね。
当たり前ですが、強いものを強いと思わせるには、弱い対象が必要なんです。
濃い味付けのものを味わって欲しいなら、組み合わせは薄いものを用意すべきなのです。

今回、劇の濃いシーンだけが提示されちゃったんですね。
そうなると、読み終わったときに「あれ?これで終わり?なんか盛り上がったけど、盛り上がりに欠けたなぁ」って感想になるんじゃないか、と思います。私はそうなりました。

なので、私としてはそこまでに触れた劇の台本描写を使いながら、劇の前半をもっと描写すべきだったと思います。

なぜそういう描写になってしまったのか、という疑問があると思います。私の見解ですが、この作品まじでテンポが良いんですね。オートで読んでたらいつの間にか2時間経過していたとかザラでした。そのくらい話の流れがすすすーっと入ってくる流れなんです。だから、テンポを良くするがゆえに蛇足的なところを削りすぎたのではないか、と思います。アップテンポで走り切りすぎた。だからああいう描写になったのかなぁ、と考察します。無駄を残した方が良かったのではないか、と思うんです。




結構細かい指摘をしてきましたが、このような細かいところが気になるのも、細かいところまでフォローできている作品だからなんですよね。

たとえば、毎度おなじみになっている立ち絵の表情変化や口パク。minori独特の演出ゆえにできていることですが、演出の細やかさは群を抜いてminori作品は強いです。
シナリオ面でも本作ではヒロインの心理描写をひとつひとつ丁寧に描かれていました。
ヒロインの心理描写における地の文で、ヒロインのボイスが入っているのはまじ最高です。
ヒロインのデートシーンはCGと演出でヒロインの全身を映してくれて、ヒロインの魅力を魅せてくれてます。
音楽もその場に合うBGMが使われていたと思います。曲数の制限ゆえに使い回しが目立つ作品もありますが、そういう違和感を一切感じさせずに、自然に入ってくる感じが好きです(だから、minori作品はいつも豪華版でサントラも一緒に買ってます)。

本当に細やかだからこそ、荒さが目立ってしまった、という印象です。
でも、作品としての完成度は高いと思います。

元々ポンコツの機械だったら、少しくらい故障しても気になりません。
でも、すごく有能でしっかり仕事してくれた機械が、ちょっと故障すると、すごく気になります。
そういうイメージです。だから、すごく勿体ないです。

だから、(予算とかを考慮すると大変だとは思いますが)丁寧さをもっと大事にして、その強みを生かし続けて次の作品を出してくれることを心から期待してます。


↑このページのトップヘ