2019年05月

2019年5月28日に行われた『あいりすミスティリア!(以下あいミス)』のアップデートにてUIの改修が行われました。しかし、その翌日にその一部を撤回する内容が発表されました。
今回は、このことに関連した内容を考察していこうと思います。


Basic011

ここで言及されている内容を簡単にまとめると以下の通りです。
①今回のUI改修にて「(キャラごとのスキルやアビリティの)設定保存」をなくしたが、再度用意する。
②改修したスキルとアビリティのUIも再度調整する。



今回の改修をした結果がこれです。
無題-1

無題-2

①一枚目が「設定保存」設定がなくなったもの(右下に「設定保存」のボタンがあった)。
②二枚目がスキルアビリティの設定画面(元々は小さいアイコンで一覧できる感じだった)。
※改修前の画像を残してなかったので、誰か残していたらください。


これで事実は揃いました。考察を始めましょう。



まず第一に考えるべきは、なぜUI改修に至ったのか?という問いから始めるべきでしょう。

あいミスのUIは、基本的にスマホ版ではなくブラウザ版をメインターゲットに据えたものだったと思います。先月スマホ版(googleplay版、iOS版)のリリースがありました。そして、それにより一気にスマホユーザー数が増えたと考えられます。そこでメインターゲットをブラウザ版からスマホ版に移行する目的で、今回のUI改修が行われたと思われます。
そこで、②のようにアイコン一つ一つを大きくし、見やすさおよびタッチしやすさを向上することを狙ったと考えられます。

では、①の改修は何の意味があったのでしょうか?

これは改修後にどうなったのか、というところから一つの仮説が立てられます。
通常、アビリティおよびスキルは聖装と一緒にガチャで得られるものです。
イベント聖装を得たとしましょう。その場合ユーザー(私たち)はどう行動するでしょうか?

私含め多くのユーザーはこのように行動します。
1:イベント用編成にイベントキャラを据える
2:イベントキャラをガチャで手に入れた聖装に変える

この際、「スキルやアビリティの付け替えが行われない」点が多様性に欠ける点になっていると判断したのではないか?というのが私の見解です。

だからこそ新UIでは、新しい聖装をつけると、それと同時に得られたアビリティやスキルが自動的にセットされる設定にされていたのだと思います。

今回のUI改修で手を付けられたのは、「使われていない」可能性の高い機能ではないか?と思います。
スキルやアビリティは話題にならないと使われなかったりしますからね。実際passive系スキル・アビリティは使用効果が分かりづらくて、使ってないんですよね←おい

加えて、②のシステム画像でもどの聖装とセットなのかが明示されるようになりました。これもこの仮説の正当性を上げる証拠の一つでしょう。




では、この改修が正しかったのか?と問われたら、私は首をひねります。うなずくことはできません。
やりたいことはわかります。でも、明らかに以前のメリットを無条件で放棄しています。

編成コピーも以前から要求されていたであろう機能であり、今回追加されました。しかし、それ以上に「(キャラ個別の)設定保存」に価値がありました。編成コピーはキャラ一人だけ変更するなら価値がありますが、複数キャラの変更を行うには不便です。そこで「設定保存」を使いたいのにそれが使えなくなっている、となれば、不満が出て当然です。

スキルやアビリティはぱっと見でその一覧が分かる状況だったんですね(もちろん、レア度順に並べられていて、SRのものが追加されるとSSRの前に入ったため、新しいスキルやアビリティが分かりづらかった点はあるのですが)。それがなくなって、代わりになるものがない状況になりました。それを便利だと思っていた人にとっては、一つ一つを改めて確認しなくちゃいけない状況に、苦痛を感じることになります。これもヘイトを貯める状況だと言えますね。

ここまで具体的に述べましたが、ここまでの内容を一般化してまとめるとこうなります。
「今までのメリットを放棄した上で、それを代替するものがない」

だから、「撤回してより良くします」という告知がされたわけですね。


さすが、DMM素晴らしい対応ですね(はーと)
…………
…………
…………
…………

っていうと思ったか、バカヤロー!!!


ということで、ここからもうちょっとあります。
まじかよ。って思った人ももう少しお付き合いください。


今回の案件で私はかなりの疑いの目を持っています。
私が思っている今回の問題点は以下の二つです。

⑴今回のUI改修が今までのメリットを上回るものとして提示できていないことに、なぜ事前に気づかなかったのか?
⑵ユーザーの声に対し単純撤回で済ませて良いものなのか?

Twitterで相互フォロー関係の人は、今回の告知に対して「センスがない」と言ってましたが、私もそう思っています。それを私なりに具体的に言語化していきましょう。


まずは⑴の話から。

これはあらゆる改造・改修における一般論ですが。
変更を行えば、必ず痛みを伴います。
痛みがない改革なんてないです。
だから、必ずメリットとデメリットを比較します。
その比較をしたとき、メリットがデメリットを上回るならば、ゴーサインがでます。

今回のデメリットは、先に挙げたメリットの放棄です。
このデメリットの最小化を行ったのでしょうか?
例えばアイコンの大きさに可変性を持たせるという考え方もあったはずです。

今回メリットとして求めたのは、ユーザーの使用するスキルやアビリティの多様化です(私の仮説では)。
本当にこのメリットは、このやり方でしか得られなかったのでしょうか?
例えば実況者や配信者さんなどに協力してもらって、スキルやアビリティを生かすことを実践する動画を作って公開するというのは、一手だと思います。

その辺の吟味が、今回のUI改修からの撤回の流れにおいて、精細さを欠いていたと私は思います。


続いて⑵のお話。

今回、単純撤回でより良くするとは言っているものの、予防策に関するコメントがないんですよね。
このことに結構ひっかかっていて、「同様の事例に対して、ユーザーの声に負けて、再び単純撤回するんじゃないか?」という疑問を持っているんですよね。
要は、マネジメントの話ですね。
ユーザーの声を取り入れることには、私も賛成ですぜ。でも、別の見方をすると(クリエイターの)「やりたいこと」を突き通す力がない、とも示しているんですよね。
先ほど述べた吟味の甘さもあるんですけど、対策にまで見据えることができているのか、が気になりました。

今回「やりたいこと」についても、「今後の予防策」についても言及がなく、制作側の能動的な動きが空っぽな内容だったと思います。


この2点の問題点に関して、今後改善されれば良いなぁ、と思っております。
私がその改善を読み取れるかは別として。

まあ、あいミスRADIOというようつべ配信の仕方や、オーガストTwitterとあいミスTwitterの挙動を考えると、指揮系統が二つ以上あるようで、それを統合する存在がいないのではないか、と勝手に推測していますが、これは気のせいということにしておきましょう。


以上が、私の今回のあいミスUI改修に関する考察になります。
最後になりますが、今回のお話は私の仮説の元に進めた考察ですので、あくまで「私の推測」であることをお忘れなく。

本記事は、ミシクロ関連で書きたいお話をぐだぐだ書くためのやつです。
関連と言いつつ、関係ないこと盛りだくさんなので、普通の人は回れ右でお願いします。
まあ、内容はミシクロのシナリオの企画者さんへのラブレターみたいな感じになってます。

普通じゃない人は、ミシクロのサイトURLの本体をパスワードとして使って見てくださいませ。
※なおニックネームは適当で大丈夫です。
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Missing-X-Link ~天のゆりかご、伽の花~(ミッシングクロスリンク~てんのゆりかご、とぎのはな~)の感想をいつものように乱雑に書きます。タイトルの略称はミシクロです。
もちろん、ネタバレを含むので、それを嫌う人は回れ右でお願いします。

Basic020



ミシクロに対して最初に抱いたイメージは、ヒロインの幅を随分と広く設定してきたな、という少しマイナスイメージでした。
献身的なオートマタ、毒舌天才、ゴリラ、病弱。
ヒロインの属性の時点で風呂敷広げすぎだろ、としか思いませんでした。
そして、QPとかいうリンゴの精霊の生まれ変わり。
なぜコイツが出てくるんだこんにゃろ。

なにはともあれ体験版。
そこで全て判断するつもりでした。

……
……




べた褒めしました。人工知能(AI)ネタに弱いんですね、私。
もちろんAIネタの下手なやつはすぐに気づくんで、速攻で切るんですけどね。
明らかに「分かっている」作品だと体験版で判断したので、買うことにしました。


さて、ここから製品版のお話。

この作品に使われているギミックは大別して2つ。

一つはチェス。
チェスの棋譜(試合の再現)を活用しているところがいくつかあります。
私自身、類似のボードゲームでちょっと実力がある人ですが、チェスはからっきしです。
とはいえ、ルールが分からなくてもギミックとして機能するように創意工夫が見られて、(ルールが分からなくても)面白かったです。

もう一つは、人工知能(Artificial Intelligence:AI)。
チェスや将棋、囲碁をやっている人間の一部は、AIについて一般人よりも詳しいです。私もその一人ですね。だからこそ、体験版であの食いつき方をしてしまいました。

専門用語がまあまあ使われますが、シナリオの中に綺麗に組み込まれています。
missing-x-link ~天のゆりかご、伽の花~_snapshot_20190503_195736
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チュアブルソフトの『あの晴れわたる空より高く』
をやったことある方は、あのときの専門用語の処理方法を思い出してください。あの良さがここで生かされていました。


実は、「大偽典図書館」の元ネタを予想したものがあったのですが、どうやら違ったみたいです。
そっち系のお話は別記事で書きたいと思います。



シナリオルート形式は、ユースティア方式(脱落式)。
晶→ひな→遊離→姫風露→グランド
この順番で分岐の度にヒロインの個別を処理していくことをオススメします。
私は遊離と姫風露を逆にしましたが。
あと、あえて飛ばしましたが、ある種のBADENDも用意されているのも良かったです。


ちなみに、キャラ的に一番クリーンヒットしたのは、遊離ですね。
私にとって「共感性の高い」ヒロイン、第1位になりました。

遊離の行動一つ一つに対して、その行動をやりたくなる気持ちがよく分かるんですね。
主人公への意地悪、天才的なところのやるせなさなどなど.......。
共通ルートから個別ルートの端から端まで、感情の動き含めて「わかる」ってなるんですよね。

もう語彙力が欠けるくらいのレベルで、共感できてヤバいとしか言いようがなかったです。
「キミにこれから私のせいでいっぱい傷ついて、苦しんで――だけど最後にはキミに、キミを嫌いな私のことが、世界で一番大好きだって言わせてあげる。」
この台詞は反則ですね。


CG・立ち絵の塗り方も良かったですね。
儚さを感じさせる塗り方が、より一層この作品らしさを出していました。

missing-x-link ~天のゆりかご、伽の花~_snapshot_20190503_201609

こういう正気を失った目を立ち絵で出しつつ、全体として違和感を感じさせないところが、作品全体をよく見たディレクションだと感じました。

演出も、Yow氏や椎原旬氏がサブディレクションで関わっているだけあって、細かいところまで行き届いていました。

BGMも適材適所で上手く適応しており、作品の統一感を際立たせていました。

そしてUI(ユーザーインターフェース)。これが素晴らしい。ディレクターさんがTwitterで力を入れたとおっしゃっていましたが、批判承知でよくやってくれた!と言いたくなるレベルでした。

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これが通常のゲーム画面。

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マウスカーソルを外側に持ってくると、このように最低限の機能が表示され、右下のメニューを開くと......。

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このように展開されて、必要なものにさっと触れられるんですね(左下はSAVE)。
個人的にはQ-saveは必要だけど、Q-loadは不要だと思っていて、その辺を加味したシステムだったと思います。

一つだけUI関連の弱点を言うなら、セーブデータにあるキャラクター系のタグの法則性が掴めないところですね。個別ルート前でどういう要素を見てついているのかが分かりづらいところだけが弱いところでした。なお、各話のタグは振り返りの際に分かりやすくて重宝しました。
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もう一つだけ、私から見た弱点として挙げるなら、
主人公の台詞に不要なネタ仕込みが入っている点ですね。
パロネタそのものは悪いものだとは思いません。
しかし、基本ラインが真面目なテイストの作品だけあって、タイミングを誤っているところがいくつかありました。結構気づきづらい出し方しているので、気づかない人はそのままスルーでしょうけど。



総合評価としては、AIやSFがダメじゃない人、難しい単語が苦手じゃない人には無条件で勧められると思います。特にはれたかが好きな人は今すぐDMMのサイトに行ってポチッと買いましょう。そのくらい良い作品でしたし、またこのような作品を期待したいです。


最後に一言。このゲーム、絶対に普通よりお金かかってるよ。大資本DMM恐ろしや。

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