本記事はアストロノーツ・シリウスから2019年11月に発売された『カオスドミナス』の感想記事です。
ネタバレ要素が含まれますが、公式サイト以上の絵のネタバレはなく、シナリオ内容についても中身を追うお話はいたしません。本記事が購入検討の参考になれば幸いです。

コメント 2019-12-01 211456




今回、本作品をプレイした方はEDクレジットで分かると思いますが、本作品のテスターを務めさせてもらいました。

テスター応募のきっかけは、Twitterで偶然テスター募集の公式ツイートを見たことでした。
私のブログ記事を見ると分かると思いますが、基本的に体験版で判断する人間なので、公式HPの情報だけで行動するのはかなーり例外な感じです。
正直宝くじに応募する気持ちで応募しました(とはいえ、勝算はあったんですけどね。メーカーPCでありながらヘンテコなスペックの環境でエロゲをプレイしているので)。
ちなみに、今作は前作のリベンジなんだろうな、というのがHPを読んだときの第一感でした(なお、前作は体験版で嫌な予感がしたため購入もプレイもしていません)。


テスター版をプレイした際の感想は以下の通りです。


ツイートの通り、個人的にかなり評価の高い内容でした。
そのため、今回は体験版のプレイを省略しました。
※なお、テスター版のfeedbackは、体験版や製品版に反映されるという通達でしたので、テスター版と体験版は同一物ではない、と明言しておきます。

参考までに公式のプレイムービーを置いておきます。
動画の長さ的にもだれることなく最低限の長さで端的にまとめられていてオススメ出来ます。






では、製品版の感想に移りたいと思います。
本作のメイン要素は、Simulation game(SLG)要素とAdventure game(ADV)要素の2種類があるので、まずは分けて話していきます。


SLG要素は、SLG初心者向けだと思いました。
エロゲプレイヤー=ADVプレイヤーを想定して作られているものだと感じました。

エロゲ的に言うなら、アリスソフトやエウシュリーなどのゲームに慣れているとやや物足りないけど、そういうのに慣れていない人にとってちょうど良いバランスになっていると思います。

代表的な内容を箇条書きで示すと、
①敵の数を限定していて、戦うのも避けるのもプレイヤーが選択しやすい。
②探索マップからの脱出が容易。
③作業ゲーになりにくい(ソシャゲのような周回ゲーではない)。
といった要素ですね。

※①の補足→戦わないとキャラのレベルが上がらないので、避ける方が勿体ないことがほとんど。

特にエロゲの場合、ADV要素をある程度強く出すには、③の要素(=SLGがADVのリズムの阻害にならないこと)は非常に大切なものであり、それが上手く組み込まれている点で素晴らしい作品だと思います。

一度に編成できるキャラが5人に対し、それ以上のキャラを扱うことになりますが、役割に被りがなく、どのキャラも不満なく使うことができました。

またボスキャラとの戦闘も少し頭を捻れば攻略できるのが、良いところだと思います。
SLGにおけるキャラのパラメータの数が少し多めですが、最初はあまり考えずとも難なく進められますが、進行するに従い各要素を考慮し始めることで、少しずつ攻略しやすくなってくるところが良かったです。なお、私はバフとデバフをメインに組んで敵をなぎ払っていきました。

少し勿体なかった点が、序中盤のマップで似たようなものがあり、単調さが目に付いてしまう点です。
敵やアイテムの配置がかなり類似しているため、SLG的にやや物足りない要素になっていると感じました。



続いてADV要素について触れていきます。

シナリオ形式は、選択肢のほとんどない一本道+進行と共に独立して各キャラのエピソードが閲覧できるようになるタイプです。類似例を挙げるならdualtailのVenusBloodシリーズのADVパートですね(厳密には違う)。

シナリオ内容は(テスター版時の見立て通り)王道ダークファンタジーそのもので、綺麗に仕上がっていると思います。


SLGとの親和性もよく考えられていると思います。
メインストーリーとともにキャラクターのレベルが上がり、メインストーリーのEDを迎えると、残っているキャラエピソードが見られるようになります。これはSLGの周回を考慮しないシナリオであり、メインストーリーが終わっていることが前提となるシナリオ内容になっているところも印象的でした。


個人的な見解ですが、本作のコンセプトの一つは「ヒロインの初々しさ」だと思います。(※一部例外はあり。)
セックスを身体(からだ)で知って「女」になっていく。そんなヒロインたちが非常に魅力的な作品だと思います。

正直どのヒロインの初々しさも刺さりすぎて、「一番好きなヒロインは?」と問われたら、「選べない」と答えるレベルで、どのヒロインも好きです。

節操ないですね。でもダークファンタジーだから良いよね←おい

原画はM&M氏。原画と塗りのバランスが良く、原画の魅力を引き立てることができていて、毎度ながら素晴らしいと思います。(個人的に好きな絵師さんの一人なので、語り始めると終わらなそうなので以下割愛)


CVは、みんな安心アストロノーツおなじみのCVの方々。
キャラクターをしっかり読み取り丁寧に演じ切れる実力派の方々であり、上述コンセプトにしっかり噛み合った演技をされていると感じました。

そういえば、今回HPのキャラ紹介の欄、アストロノーツおなじみのCVが揃っているなぁと思いつつも、三十三七さんのキャラがいないなぁと思ってたら、隠しキャラでCVみるさんのキャラが途中で出てきて、顔がにやけました(笑)
※CVに関してはEDクレジットをご確認ください。表記ミスではありませんので、あしからず。




テスター版のとき、CV以外でもう一つ、BGMの噛み合いが良いと言ったのですが、EDクレジットを見たら、サクラノ詩などで有名な松本文紀氏でしたね。納得しました。


ADV要素で勿体なかったのは、誤字ではないけど気持ち悪い部分が存在したことです。
「手に取る」と「てにとる」をほぼ同時のBacklogで見たこと。
「1度」の存在。表記揺れはなかったものの、「三度」の表記も見るとかなり違和感がある表記でした。通常は漢数字だと思います。
この辺に関しては後日メーカーさんに報告する予定です。メーカーさんに発売後の修正パッチを出す予定があるなら、それに合わせられたら良いなぁ、と思います。

※(追記)修正パッチが出たため、修正されている可能性があります(12/8時点で確認中)。


以上になります。

本作を端的に言えば、手軽に楽しめるSLG付きADVゲームと言ったところでしょうか。
SLG性の強いゲームに対して、時間的な面や内容的な面で普段忌避している方が、手軽に手に取れるゲームになっていると思います。

勿体ないところはあれど、基本的にべた褒めの内容であることは、示した通りです。
本記事をもって『カオスドミナス』に興味を持った方がいれば幸いです。
そして、アストロノーツ・シリウスの次回作も期待しております。