本記事は、BlackCycから2019年12月に発売された『SaDistic BlooD』の感想記事です。
ネタバレありの記事ですが、購入検討の参考にすることを考慮して作成した記事ですので、参考になれば幸いです。
まず体験版の感想ツイートはこちらです。
『SaDistic BlooD』体験版おわり。
— クルクル丸 (@skskidays) December 10, 2019
ロープライス黒パケ作品として良く出来ていると思う。特に文句なし。個人的には投資の意味も込めて買うかな。 pic.twitter.com/JbxgNMEMXq
体験版について今回は詳しく見ていきます。
体験版の構成は以下の通りです。
①プロローグ
②由奈と静羽のエッチシーン
③選択肢(見た目上分岐なし)→同じ展開
④予告ムービー
単純な構成ですが、ロープライスの体験版として非常によくできた構成だと思いました。
①では、最初に少々過去回想が入った上で、現在の時間軸となり、メイン2人(由奈と静羽)の日常が描かれています。
②では、由奈と静羽のエッチシーンを通して、二人の関係性(距離感)が描かれています。
この①と②をもって、メイン2人のキャラクターのあり方が示されています。
③では、由奈目線で静羽に血を吸わせるかどうかの選択肢が出現します。
そして、吸わせた上でもっと吸わせるかどうかを問う選択肢が出現します。
吸わせるのをやめさせた時点もしくは複数回吸わせた時点で、起承転結でいう転の展開で体験版としてのADVシーンが終わります。選択肢直後で吸血量によって由奈と静羽の具合の違いが出ていましたが、体験版におけるその後の展開はどれも同じものでした。
その後④として、キャラクターのエッチシーン(陵辱含む)を複数示す予告ムービーが示されます。
この③と④をもって、物語の構成を示唆させる内容となっていると思います。
(これは体験版時点の私の予想ですが、)③の選択肢から時間差でパラレルに分岐し、複数エンド(3つ以上)になるのではないか、と考えられます。
つまり、体験版でキャラクターの魅力を示した上で、物語の構成を見せて、作品全体を想像させることを実現していると言えるのではないか、と私は思います。それゆえにこの体験版の評価は、非常に高いものだと私は考えています。
余談ですが、ロープライスの作品にOP曲ED曲が必須かと問われたら、首を捻るところだと思います。OP曲で言うと、(私の現時点での解釈ではありますが)二つの目的があると思います。
a. 広報・宣伝
b. 作品内でのプロローグと本編の区切りを示す
aの広報・宣伝に関しては言うまでもなく、実店舗で流されている映像の通りです。
bは作品内でOPが入ることで、作品の中身をプレイヤーに想像させ、起承転結で言う承の状態に持ち込ませる効果があると考えます(※わかりやすさのために起承転結で示していますが、厳密には異なることはご了承ください)。
ロープライスの作品の長さ、特に分岐を複数用意するならば、bは物語の中身で示した方が良いと思います。おそらくですが、今回の場合は③の展開がその役割を担っていると思います。
そして、aに関してはSNSや動画媒体におけるユーザーコンテンツ(プレイ動画や感想など)である程度代用可能と考えることも可能かと思います。
そうなると、本作においてOP曲の存在意義はほとんどないのではないか、と思いますし、その分のリソースを他に回した方が良いと思います。実際、それを想定した作品構成になっているのではないか、と考えられます。
では、製品版の話に移ります。
シナリオ構造としては、中途エンドありの一本道型。
体験版にもあった吸血系の選択肢が2回出てくるため、その吸血量によって分岐内容が変化する模様。
効率良く攻略したいなら、一番長い道筋を把握した上で、シーン鑑賞画面を確認しつつシラミ潰し的に対処するのが早いと思います。シーンを全部埋めると、鑑賞画面のスタッフクレジットおよびスタッフコメントの部分が見られるようになります。
分岐に対して重複するエンディング(中途エンド含めて)が多いので、その点が少し面倒くさく感じるかもしれません。吸血量を分岐ギミックにする前提があるので、これに関しては肯定もできるし、否定もできる内容だと思います。
体験版プレイ時のシナリオ構造に関する予想は、まあまあ当たっている感じに見えますが、昨今の選択肢を減らす傾向に合わせたものを想定していたので、その点で大きく外しましたね。(なお、私個人の好みで言うなら、無駄の多い分岐は好きではない派閥です。あくまで好みの話ですが。)
個人的には、メイン2人が救われるEDにも2人のエッチシーンが欲しかったなぁ、と思いますが、内容的に優先順位が低かったんだろうなぁ、と感じました。
エッチシーンに関しては、内臓をぶちまける系統が比較的多かったです(グロい)。
当たり前ですが、そういうものに耐性がない人は、避けた方が無難でしょう。
完全解剖されるやつだけは、「私、こういうの好きじゃないんだな」と自覚しました。←
CVに関しては、かなり安定していて個人的には高評価です。
特に、キャラクターをしっかり捉えた感じの演技が随所にある点、こういうグロいゲームにありがちなエッチシーンにおける悲鳴がしっかりしていた点の2点が良かったです。
一つだけ勿体ないと感じたことを言うなら、音量バランスが微妙だと感じるところがあった点ですかね。デフォルトからBGVを少し下げてもボイスの音量が小さいと感じるところがありました。
絵に関しては、二人の百合系のシーンは艶やかさがでている一方で、グロいシーンではそれが穢れていく様がしっかり表現されていたと思います。
システムUI面では、ショートカットが利くので、周回作業がかなり楽でした。
個人的には、オート時クリックしてもオートが解除されないやつが欲しいんですけどね。まあそれは付けるメーカーと付けないメーカーがあるので、高望みはしませんが。
ロープライスのグロ系作品として、上手くまとまっている内容だと思います。
体験版から予想される内容が上手く反映されていた作品ですので、気になる方は体験版に触れてみることをオススメします。(どこまでのグロかは体験版では分かりませんが)
スタッフコメント見た上での余談ですが、和泉さんも上田さんも色々やりすぎで身体壊してないか心配になりますね......、これ。
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