本記事は、2016年7月にアストロノーツ・コメットより発売された『アリスティア・リメイン』の感想記事です。ネタバレが含まれていますが、未プレイの方でも読んでも支障のない記事になっていると思います。

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本作は体験版に触れずにやったので、体験版関連のツイートはありません。
ということで、早速製品版の感想といきましょう。






本作を端的に表すなら、「王道現代ファンタジー」という言葉が妥当でしょう。
科学と魔法が両立している世界観がきっちり組み上がっており、その点で違和感は全くありませんでした。

シナリオ構造としては、分岐のない一本道の本編+キャラエピソードの形式でした。
いわゆる共通ルートを複数回やることを望ましくないと考える作品内容なら、この形式が答えの一つではないかと思います。

シナリオ内容として特出すべきは、やはりどこまでも基本に忠実なところだと思います。
様々なメインキャラに焦点を合わせて進む、話の構成しかり。ノベルゲームらしい、CGや立ち絵、効果音、BGMが綺麗に組み合わさった戦闘シーンしかり。主題歌を一番戦闘が盛り上がるところで使うことしかり。
どこをとっても王道であり、だからこそ面白いものだと感じました。

なお、ver1.01ながら誤字がいくつか見られたのは少し勿体ないなぁ、と思いました。


原画は、Rozea氏と国産もやし氏。
2人原画ではありますが、塗りも含めて作品として上手く融和しており、立ち絵・CGともに特に違和感はありませんでした(←重要!)。

あと、エッチシーンとして、コスプレエッチがメインヒロインにそれぞれ入っているのは、一体誰の趣味なのだろうか?と思いました(もっとやれ)。

CVは、誰もが安定の声優さんですね。
2019年末現在からみると、沢代りずさんと有栖川みやびさんが非常に貴重に思えました。(※引退もしくは最近出演作なしのため)

BGMは、松本文紀さん。
『カオスドミナス』をプレイしたときは気づいてなかったんですが、アストロノーツ作品で結構担当されているんですね。
日常は日常らしさを、戦闘は戦闘にふさわしい楽曲を作られていて、物語に没頭する一助になっていたと思います。



今回は、作品外のことを少し。

本作をやって気づいた事ですが、ADVの中身が『カオスドミナス』と類似性がありました(特に構成面)。なので、『カオスドミナス』と『アリスティア・リメイン』のいずれかのシナリオが楽しめたのなら、もう一方のシナリオも楽しめるので、オススメできるのではないか、と思います。
※なお、両方やるべきというわけではないので、あしからず。またその順番に制約があるものでもありません。

また、『カオスドミナス』が『アリスティア・リメイン』を踏まえて作られた点があるかと思います。
例えば、本作ではキャラエピソードが比較的短めなのに対し、『カオスドミナス』ではED後のキャラエピソードが比較的長いものでした。これは、本作でキャラエピソードをもっと掘り下げて欲しいという感想があったのではないか、と推測できます。

類似の制作チームの作品だと、制作者さんが何を考えてどうしたのか、が見えてくるのが一つの面白いところだと思います。私もそういうところを踏まえて感想を書けたら良いと思うので、精進したいですね。







繰り返しになりますが、本作は「王道現代ファンタジー」です。

「王道」と聞くと、マンネリ感を感じる人もいるかもしれません。だからこそ、凝った作品を求める気持ちもわかりますし、そういったギミックをふんだんに利用した作品の面白さもあると思います。

でも、「王道」には王道らしい強さがあり、面白さがあると思います。
こういう基本に忠実で強い作品の面白さも是非知って欲しいと個人的には思います。