本記事は、ブログのギミックをいくつか取り上げて、その扱い方に関する記事です。
前回の『エロゲ感想ブログの書き方(基礎編)』を踏まえた記事になっております。
前回同様、私見に基づく内容ですので、ご承知ください。
また、前回の記事を分かっている前提でお話ししますので、未読の方はまずそちらをご覧ください。
今回は大きく分けて3つのギミックを取り扱います。
とはいえ、言いたいことは一つです。
単位は揃えろ!
一体なにを言ってるんじゃ?とは思いますよね。
では、3種類のギミックの話を見ながら、その意味を掴んでいきましょう。
①目次、見出しのお話
目次とか見出しとかってこういうのを指します(下図)。
目次(Contents)を表示すると、なんかしっかりまとめたブログ感が出てきますね。
そして、2枚目の青の部分や灰色の部分が、見出し(大見出し、中見出しなどの分類あり)です。
このブログみたいに、見出しも目次もろくに付けないブログとは大違い......←
いやいや、ちょっと待ってくださいな(苦笑)
そもそもなぜ見出しを作って、目次を設けるのでしょうか?
ちょうど前回取り上げたみなせさんの記事が、目次と見出しを使っていたので見てみましょう。
目次は、読む上での指標になります。
基礎編の時点で全項目を読んだと思いますので、改めて目次を見てみてください。
□ルール
□ランク外ピックアップ
□ランキングTOP10
□過去のランキング記事
この並びを見て、いかがでしょう?
皆さんに問います。これらの見出しは目次として列挙する必要があったでしょうか?
私の答えは、列挙する必要がない、です。
まずこの記事(ランキング記事)にたどり着いて、ルールについて詳しく見たいと思う人がいるでしょうか?過去の記事にいきなり飛びたいと思う人がいるでしょうか?
この場合、3つ目の項目のリンクに飛ぶことはあり得ても、他のリンクを選択する可能性は非常に低いです。
では、そもそも目次として出す意味とはなんでしょう?
少し一般化して考えて見ましょう。
・項目を把握させるため。
・不要なところを読み飛ばす指標にさせるため。
・記事内リンクで読みたいところにすぐに移動させるため。 etc......
一例を出してみました。
色々挙げられるとは思いますが、代表的なところを挙げたつもりです。
この3つの項目を当てはめてみましょう。
・項目を把握する必要があるか?
→Top10を見るのが主目的なので、他の項目の優先順位は低い。
・不要なところを読み飛ばす指標になっているか?
・記事内リンクで読みたいところに移動するのに有用か?
→そもそもリンクで飛ばなくちゃいけないほどの量ではない(特に1つ目と2つ目)
というように、一般化したときの目線だと、目次にする意義がないように感じられます。
では、なぜ目次のシステムを採用したのでしょうか?
少し推測してみましょう。(あくまで以下の内容は推測です)
大まかな傾向としては、ここ最近の記事には全部ついていて、見出しに対応する形で目次を作っているように見えます。一方、半年以上前の記事だと目次なしで同様の見出しをつけているようでした。
目次をつけている記事とつけていない記事が共存しているということは、意図的につけている可能性が高いと考えられます。
ここで、他の記事の目次を少し見てみましょう。
エロゲ単体の感想記事の目次はこんな感じですね。
目次を見ることで、どういう内容について触れているかが分かります。
見たい項目があれば、それを優先して見ることが可能に見えます。
こっちの場合、先の一般化した要件を当てはめても、特に問題がなさそうです。
(まあ、関連記事リンクが必要かどうかは、横に置いておくことにしましょう。)
以上のことから、個別記事の習慣をまとめ記事にもそのまま適用した、という見方が正しそうです。
習慣化している内容、様式美。そういったものを守るメリットはあります。
どの記事も同じような目線で見てもらえますから。
でも記事単体で見られる場合、最初に私が指摘したような違和感は拭えないかもしれません。
本事例に関しては、メリットとデメリットの双方を示し合わせてどちらを取るか考えるべきかもしれません。
個別事例の話はここまでで、今回は書き方のお話ですから、書き方のお話をしましょう。
上述の議論に関しては参考までに載せましたが、重要なのは最初に述べた一言です。
「単位を揃えろ!」
実際、上手くいっている方の見出しは「単位」がきっちり揃ってます。
(作品の)基本情報
(作品の)良い点・悪い点列記
(作品の)システムや動作環境 etc......
というように、作品の何かについて述べている形です。
だからこそ、
・項目を把握させるため。
・不要なところを読み飛ばす指標にさせるため。
・記事内リンクで読みたいところにすぐに移動させるため。 etc......のような、目次を出す目的が果たせると、私は考えます。
で、実際にこういった要件を満たすことを考えると、
記事にある程度の長さがないと、目次として出す意味がない、ということが見いだせると思います。
私がほとんどの記事で目次を設けない理由は、目次を出す意義が見いだせないからです。
現状、見出しをつけて目次のごとく記事内リンクをつけている私の記事は、本記事くらいです。
本記事は、本来なら記事を三分割するところをあえてひとまとめにしています。
ひとまとめにすることで、個別の要素だけじゃなく、全体に込めたテーマ性が伝われば良いなぁ、と思っています。
とはいえ、目次の適当な例がないのもよくないので、参考までに私の知人が書いた記事を参考までに貼っておきます。
違う業界の記事ではありますが、どの要素に対してどういう分量を設けているのか、の参考になると思います。
また、この記事のように、目次にすべき見出しとそうじゃない見出しを振り分けることも、時には必要かと思います。
②メディアのお話(画像、動画などハイパーリンクを含む)
続いて、メディアのお話です。
画像や動画に関しては、著作権の問題をまず話したいと思います。
基本的にエロゲは、メーカーの著作物です。
そのため、著作権者が許諾した範囲外での使用は、著作権を侵害することになります。
エロゲは著作権の範囲がメーカーごとに異なります。
きっちり定めているメーカーもあれば、曖昧にしているメーカーも存在します。
例えば、ゆずソフトは以下のようなガイドラインを出しています。
例えば、あっぷりけの『クロスコンチェルト』のときに問い合わせたところ、基本的な範囲として以下のような回答をいただきました。
■OK範囲
自身のツイッターなどのアイコンにしている。
ブログやツイッターなどで『クロスコンチェルト』の画像として感想や実況のような形で掲載している。
体験版のプレイ動画、OPムービー、CMムービーなどを自身のコメント付きでの配信。
■NG範囲
あっぷりけの著作物とわかりづらい形で、
(自身の作品と見えるような形で)ツイッターやブログで配布している。(加工の有無に関わらず)
加工したものを作品中のシーンと誤解されるような使い方で掲載している。
重要なネタバレを意図的に未購入者に見せようとするような行為。
このように似たような内容であっても、微妙に異なる面があるので、注意が必要です。
ただ、一つ一つ個別に問い合わせをしていたら、キリがありません。
著作権の扱いをグレーな状態にしているメーカーさんも数多くあります。
ちなみに、私がブログを書く上で、メディア関連で自身に設けている制限は以下の通りです(2020年1月現在)。
・使用範囲は、メーカーの公式HPやYouTube公式chもしくは体験版で出している範囲まで・必ず引用元へのハイパーリンクを提示する・私がここで発信する内容および方法が、作品に対する誤解の元になりづらい
ブログに関してはこの範囲ならほぼ問題がなく、作品に対する不利益にならないと判断しています。
なお最近は、体験版範囲も可能な限り削ることを意識して、メディア利用をしています。
SNSでのやりとりやゲーム実況などがメジャーになり、著作権のグレーゾーンからブラックゾーンに踏み込む方が増えている印象です。
多くの場合、取り締まりにかける費用対効果が合わないので、メーカーさんは見て見ぬ振りをしていると思われます。
だからといって、なんでもやって良いわけではありません。無法地帯になれば取り締まりが強化されて、不利益を被るのは自分たちなのですから、各自で慎みを持って発信することが必要です。
Twitterで有名なネタバレCG4枚貼りツイートなんて、ブラックゾーンに踏み込んでいることが明らかなんですから、コミュニティ内で駆逐するのが一番です。さっさと違反報告しましょう。
YouTubeの動画もマズいモノが多く、引用に不適切なものが多数存在します。
例えばこの動画はminoriの公式でuploadされているムービーですが、OPの曲名である「the brave under the summer sky」などキーワードで検索してみると、著作権侵害している動画があれやこれやと出てきます。
きっちり、公式だと分かるものを引用しましょう。
ちなみに、上記のようなYouTube動画の貼り方は、ググれば出てくると思うので割愛します。
さて話は変わりますが、こういうメディアを使う上で重要なのは、メディアと文章の関係です。
具体例から見てみましょう。
この体験版の感想における画像の使い方は典型的な問いかけパターンです。
話の序盤に画像を出して、この画像は何なのか?と疑問を持たせ、それに対して文章で答えていく、というパターンです。
本例の場合、カオスドミナスの体験版における最初の画像を提示して、「体験版をやったんだ」というイメージを表題だけでなく画像でも印象づけて、「実際どうだったの?」というお話にしています。
「結論から言うと、買いで(感想)」という始まり方も、ぶっきらぼうながらも端的で興味を引く工夫につながっているのも良いところだと思います。
文章に対する回答例として、メディアを使用する場合もあります。
このカオスドミナスのプレイムービーは、非常にイメージを想起させやすい内容になっており、体験版の感想の証左として提示することができると思います。
メディアの悪い使い方は、印象付けのためだけにメディアを並べ立てるブログですね。TwitterのCG4枚貼りにも通じるところがあると思いますが(なおリンク貼りたくないので、具体的な言及は避けます)。
そういう行為は、著作物を盗用しているのと変わりなく、グレーゾーンを悪い意味で狭めることにつながりかねません。私たちは他人の制作物を「借りている」ことを忘れてはいけないと思います。言うまでもなく、借り物を好きに扱って良いわけはありませんからね。
兎にも角にも、本文との噛み合いが全てです。
メディアだけが足並みが揃っていなければ、悪目立ちしてしまうというわけです。
気をつけましょう(自戒を込めつつ)。
③強調方法のお話(太字、大きさ、色、マージンの空け方)
強調方法と一言で言っても色々あるところです。太字でも強調にはなりますし、大きさも強調になります。
色をつければ、そこに着目して欲しいのかな、と無意識に反応することになります。
また、 マージン を空ければ、その不自然さゆえに目立つことになります。今回は横でしたが、
タテのマージン
も目立つ要素でしょう。
あとは下線もあるんですけど、これは場合によってはハイパーリンクと混同する面もあります。
代表例を挙げましたがどの方法をとっても、強調することは難しくありません。
問題は、強調方法の使い方です。
色んな方法でむやみやたらに強調しても、読者に負担をかけるだけになります。
ここで少し話が横に逸れますが、こちらの動画をご存じでしょうか?
この動画では、競技クイズ(早押しクイズ)を初心者が学ぶ様子が描かれています。
早押しクイズ番組で、問題文の途中で回答する方がいますよね。
それの原理の一例を学んでいる感じです。
ここでは、最低限の言葉から情報を最大限に引き出して答えを見いだしています。ブログも同じです。
文章そのものも情報ですが、文章外の要素も情報になります。
強調を使う上で重要なのは、強調の使い方を揃えることです。
使い方を揃える、と言ってもイメージが湧きにくいかと思います。
まずは、今回の私の事例のルールをご紹介します。具体例を省いているのでここまでの文章を見直しながらでも構わないので、把握してみてください。
強調はほぼ一種類で出すようにしてます。今回は単なる太字の強調がメインギミックです。なお、最初に赤字+太字+大きさで使っていますが、それだけが例外です。今回の強調の意図は、コンセプトワードを魅せるというものです。各章での「答え」になることを意識して、太字をつけてます。逆に言うと、コンセプトワードが含まれないものは重要だとしても、強調をしないようにしてます。これは場合によっては、別の方法で強調する手法を取ると思います。
以上になりますが、いかがでしょうか?
強調の使い方を揃える、つまり「単位を揃える」ことを意識しているのですが、イメージが掴めたでしょうか?
最初に競技クイズの例をもって、最小限の情報から最大限の情報を引き出すお話をしました。
強調行為もこのお話にひっかかる要素だと思います。
つまり、強調行為そのものが一つの情報になっていることを意識すべきということです。
本章ならば、見出しタイトルが「強調方法のお話」です。
であれば、「強調方法として意識すべきことはなにか?」という疑問を読者は持つことが想定できます。
その答えを、コンセプトワードとして設定して、強調することで読みやすくしています。
見方を変えるならば、斜め読みしたときに太字の言葉を追えば、話している内容が大まかに把握できることを意識している、とも言えます。
少し脱線しますが、この文章がどういう風に読まれ方は、2通りだと思います。
一つは、先ほど述べた斜め読み。もう一つは、一つ一つ細かく読む手法です。
これ以外の中途半端な読み方だと、今回の文章量を処理できないと想定してます。
むしろ、読み方を制限する意味で記事を分けずに一つの記事にしている側面もあるんですけどね。
話を戻します。
強調ギミックの種類について触れましょう。
強調ギミックは重ねることが可能であり、重ねれば重ねるほど強度の強い強調となります。
しかし、今回私が主に使っているのは、太字強調1種類というかなりシンプルなギミックです。
これもあえてそうしています。
強すぎるギミックはあえて使わないメリットは二つあります。
一つは、長文読解の負担を減らすこと。もう一つは、無駄な情報を排除するためです。
特に後者が重要で、文章量が多いため、強調により情報を増やすことが得策ではない、と考えています。
先のルール説明の最後に書きましたが、別の強調を足すことはできます。
そうすることで、視認性を上げることはできると思います。
しかし、視認性を上げるメリットよりも、強調の単位を増やすデメリットが大きいと見ました。
なお、種類を増やす場合はそれぞれの使い方に気を遣う必要があることは言うまでもありません。
ギミックの留意点について触れていきます。
まずは色。
色は強調の種類を増やすことが容易いのですが、かなり難しいギミックだと思います。
色そのものにイメージがあります。
赤なら熱いとか危険とか、青なら涼しいとか安全とか。
赤と青を使い分ける場合、最も重要なのは赤、次に重要なのは青、みたいな印象を与える可能性もあります。
色と背景との関係性も留意する必要があります。
例えば黄色。背景が白だと見づらくて、読めない可能性があります。
強調させるための黄色が見えないなら、それは強調の役割を果たさない可能性が高いです。
プレゼン同様、蛍光色は光の反射で読みづらい可能性があるため、書いたら必ずプレビュー画面をチェックしましょう。
続いて大きさ。
文字の大きさにも種類がありますが、それよりも大きさの役割で意識すべきことがあります。
それは、大きさが文章読解の律速段階を作り上げることです。
大きさに差異があるほど、その部分を読む速度が遅くなります。
その部分の情報量が少ないほど、思考の余白でその律速段階について思考するようになります。
もちろんそれは、読みやすさとのトレードオフになります。
文章を一定のリズムで読む方が、読者としては読みやすいものです。
そこに介入するわけですから、過度な介入は読みにくさにつながります。
今回の私の文章がほぼ文章の文字の大きさを変化させていないのは、そういう律速段階を作らない方が望ましいという考えに基づくものです。というか、この長さで律速段階作ったら読者への負荷が大きすぎると思います。
最後にマージン。
ここまでマージンの使い方を見て分かるとおり、マージンは文章強調よりも文章の関係性を示す面が強いギミックです。
基本のマージンの間隔に対して広いと「違う話に変わる」と認識してもらうつもりで書いてます。
おそらくここまで意識的でも無意識的でも、そのように認識してるのではないか、と思います。
強調の意図で使う場合は、他のギミック(特に大きさ)と一緒に使うことが多いのではないでしょうか?
スクロール行為が一つの律速段階ではあるのですが、文字が小さいと読み飛ばされる可能性も高いため、自然に文字を大きくすることを意識することになります。
『エロゲ感想ブログの書き方(ギミック編)』いかがだったでしょうか?
最初に「単位を揃えろ」とお話ししました。
1章の目次や見出しの話では、見出しの項目単位を。
2章のメディアの話では、本文の噛み合い方での単位を。
3章の強調方法の話では、強調レベルの単位を揃えるお話をしました。
言葉として現れない部分ではありますが、それが可読性や視認性につながる大切な要素です。
ちょっと工夫するだけで上手くいくポイントなので、一つでも良いから取り入れることから始めてみることをオススメします。
最後に改めて強調しますが、本稿は前回の基礎編の上に成り立つお話ですので、その点を忘れずにギミックを使いこなしていきましょう。
なお、本記事の評判次第で、「実践編」を書くかを判断しますので、感想・コメントなどをお待ちしてます。(とはいえ、ここまでたどり着くのは大変だろうな、と思いますが(汗))
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