本記事は、『エロゲ感想ブログの書き方』シリーズの3つ目です。
おそらくですが、2つ目の記事を読んだ方の中にこう思った方がいたのではないでしょうか?

「そもそも文章を書くのが自信がない」
「文章が書ける人向けの話じゃないのか、これ」

お気づきの方はいると思いますが、基礎編ギミック編の間には大きな溝があります。

今回は、その溝を埋めるお話を、
つまり「自分の感想をどうやって書くの?」というお話をしていきます。

前回、前々回同様、私見に基づく内容であることを踏まえた上でお読みください。





これを能動的に読もうと思ってくださる方の多くに共通するのが、「どうやって書けば良いか分からない」だと思います。

「書こうと思っても、どうやって書けば良いか分からない。」
「長文感想とか見ると、自分がブログみたいな文章を書けるとは思えない。」

あたりですかね。

まずは、この辺の解決を図っていきたいと思います。


例えば、ゲーム仲間に「(昨日プレイしてた)このゲームどうだった?」と聞かれたとします。
貴方はどう答えますか?



「良かった」
「すごく面白かった」
「つまらなかった」 などなど

そんな感じで答えるでしょうか?
でも、これだけ見ると、「どうして?」って思いませんか?

どうして「良かった」と思ったのでしょうか?
どうして「すごく面白かった」と思ったのでしょうか?
どうして「つまらなかった」と思ったのでしょうか?

これを語るのが「感想」です。
そして、感想書きとは「どうして?」を繰り返す作業です。


具体的な事例として、『あざスミ』でお話ししましょう。
『あざスミ』は、あざらしそふととSMEEのコラボ企画です。

コメント 2020-01-20 142834

感想を書く作業を実際にやってみましょう。


『あざスミ』は良かったです。


と言っても、これでは何も伝わりません。
「どうして?」と疑問符がつくに決まってます。

好みの場面があったから?
ゲームをプレイしていて楽しめたから?
ヒロインのキャラが良かったから?

でも、これもさらに「どうして?」と疑問符をつけることが可能です。

好みの場面はどうして好みだったの?
どうしてゲームをプレイしていて楽しめたの?
どうしてヒロインが良いと感じたの?

「どうして?どうして?」ってまるで子供みたいですけど、書く上ではこれを繰り返すことが大切なことです。
基礎編で「会話」を意識して書くのが望ましいと述べましたが、まさしくこれが会話です。

試しに一つ形にしてみましょう。


『あざスミ』は非常に良いゲームでした。
会話の間に挟まるちょっとしたギャグがテンポよく、ヒロインの真澄ちゃんがまさに等身大の女の子って感じでした。SMEEらしい会話のテンポの良さと、あざらしそふとらしい女の子の魅力の出し方が上手く生きているゲームだと思いました。



日本語というのは、どうしても修飾語句が前に来るので、どういう形で作ったか分かりづらいのが特徴なので、分解してみましょう。


『あざスミ』は良かった。どうして?
→ヒロインが良かった。(=ヒロインの真澄ちゃんがまさに等身大の女の子って感じでした)

ヒロインが良かった、と感じたのはどうして?
→ヒロインとのやりとりが良かったから。

やりとりが良い、と感じたのはどうして?
→テンポ良い会話だと思ったから。

テンポが良い、と感じたのはどうして?
→会話に挟まるちょっとしたギャグがあったから。


どうでしょうか?
「どうして?」の繰り返しで綺麗に分解できました。

書く際は、まず骨子となる文章を書けるところまで書いて、足りない修飾語句を「どうして?」の繰り返しで付け加えて整える感じです。

今は分かりやすくするために一つの内容だけでやりましたが、他にも挙げられる要素はありますよね。絵しかり、キャラの性格しかり、キャラクターボイスしかり。

こうやって膨らませていけば、色んなことが書けるわけです。
言い換える語彙に関しては、色んなものを読んで徐々に増やしていくのが望ましいと思います。
ただ、私は理系人間ゆえにあまり語彙力がないので、困ったときは類語辞典を頼ってます。




骨子のところは話したと思うので、あとは補足的なお話を少ししましょう。

まずは句読点

句読点はリズムのようなものです。
まず人に話すように声に出すことをオススメします。
そして、呼吸するところで読点を入れてみてください。


『あざスミ』がすごく良くてさ、会話の間に挟まる、ちょっとしたギャグが、テンポが良くて、ヒロインの真澄ちゃんが、まさに、等身大の女の子!って感じでさ、SMEEっぽい会話のテンポの良さと、あざらしそふとっぽいヒロインの魅力が、上手く生きてる!って思ったわ。



さっきの文章を人に話すときは、きっとこんな感じになるでしょうか。
これを文字で見ると、文章の切れ目である句点がなくて、読みづらいです。

なので、ここから意味の区切りを考えて、句点を増やし、読点を整理します。
その上で、語尾を揃えたり、言葉の足し算と引き算をすればそれなりの文章になります。


『あざスミ』がすごく良かったです。
会話の間に挟まるちょっとしたギャグがテンポ良く、ヒロインの真澄ちゃんがまさに等身大の女の子って感じでした。SMEEっぽい会話のテンポの良さと、あざらしそふとっぽいヒロインの魅力の出し方が上手く生きているゲームだと思いました。

読点は意味の区切りを考慮することが大切です。
例えば
「ヒロインの真澄ちゃんが、まさに等身大の女の子って感じでした」
「ヒロインの真澄ちゃんがまさに、等身大の女の子って感じでした」

だと、前者は「等身大の女の子」を「まさに」が修飾している感じですが、後者は「真澄ちゃんこそが」というニュアンスになる感じです。大体前者で区切る文章が多いと思いますが。

息継ぎで読点を打つと、確実に読点が多くなります。実際に話しているときはその場の雰囲気や話の流れなどの非言語的な面で伝わります。しかし文章にしたときは、読点が多いと分かりづらいことになるので気をつけるべきでしょう。


それともう一つ。善悪と好き嫌いについて。

今回文章を書く上で、わざと「善悪」で書きました。

例えば「このシーンが好き」に対して「どうして?」と言っても、「好きなものは好きなんだよ!」で終わるパターンに陥りやすいと思います。

だから、頭の中で考える分には「善悪」で考えるべきだと思います。
その上で、実際に文章として出すときに「善悪」で書くべきかどうかを判断すべきでしょう。

特に「悪い」と思ったことに言及する際は、それが「自分の好みではないだけなのか?」それとも「作品としての質を落としているのか?」は、きっちり考えるべきです。
そのためにも「どうして?どうして?」とできるだけ深いところまで言及すべきだと思います。
これが浅いと、批判としても好みを示すにしても、内容がぬるいものになりがちです。
勿体ないので気をつけましょう。

批判記事の私の一例は、『ととの』の感想記事になると思います。
恋愛の感情面と選択肢の疑問点を、私の知識と努力の範囲で精一杯書いて、批判した内容です。
批判の正当性については、読者の皆様に委ねます。





ということで、実践編はここまでです。

基本は、「どうして?」を繰り返して会話を作ることです。
そうすれば、同じ内容に言及するとしても、人それぞれ違う文章ができあがると思います。


これにて、感想ブログの書き方シリーズは終わりです。
基礎編ギミック編共々、参考にしてみてください。
この内容をもって、感想書きにチャレンジしてみたいな、と思えてもらえれば幸いです。

なにか疑問点や質問などがあれば、コメント欄やTwitterのリプライでいただければ、私に出来る範囲で対応します。お気軽にどうぞ。