本記事は、Floriteから2019年1月に発売された『ソーサレス*アライヴ』の感想記事です。
ネタバレ回避したい人は回れ右でよろしくお願いします。
なお、今回それなりに日が経っていることも踏まえて、目立った加点・減点要素以外は言及しないことをご了承ください。
体験版プレイ時の感想は、以下の通りです。
ソーサレスアライヴ体験版おわり。
— クルクル丸 (@skskidays) November 18, 2018
つかみがすっごく悪かったけど、展開は悪くなかった。Dが太陽のプロミアとかの椎原さんだから全体バランスが取れてる。つかみの減点がこの上なく勿体ない。 pic.twitter.com/L7B1DQOVdU
ソーサレスアライヴ体験版2終了。
— クルクル丸 (@skskidays) November 24, 2018
最後に思いっきりひっくり返すダイジェストを最後に入れられたので、ちょっと考えを改める(良い方に)。他の人の体験版感想を見たいかなぁ。 pic.twitter.com/hcikI43Cqc
体験版1では、つかみの悪さとその後の流れの平凡さが目立った作品という印象でした。
体験版2では、製品版予告ムービーの火力が強かった印象でした。
製品版の話に移ります。
シナリオ構造は、ソーサレスの平行4分岐型のルートと、アライヴのグランドルートで出来ています。
ルート的な問題は、2つあります。
一つは、前半の火力不足問題。もう一つは、グランドルート最後の分岐の問題。
前者の火力不足問題から触れていきましょう。
シナリオを読むためのエネルギーの一つは、次は何が来るんだろうか?と思わせる力だと思います。
プロローグ時点の日常シーンにおけるつかみのなさについては体験版時に言及しました。
本編もやはりつかみのなさがあったと思います。
最初、殺されないためにチームの監督を担い優勝を目指すことになりますが、優勝へのプロセスが見えないんですね。
どういう敵がいて、それに勝つためにどういう課題があるのか?
何回勝負に勝たなくちゃいけないのか(勝ったなら目標のどこまで達したのか)?
なんとなくトレーニングして、勝ってしまう。
次のとっかかりがなく、読者が読むための火力不足と言っても過言ではないと思いました。
グランドルートのために必要な伏線は張られているものの、そこに特化している点が非常に勿体ない点ではないでしょうか。
続いて、もう一つのグランドルート最後の分岐について。
基本的に一本道のグランドルートですが、最後に5+1分岐します。
これはどのヒロインを選ぶのか?という問いになっており、該当ヒロイン関連のシーンを経て最終決戦となる寸法です。
ですが、最終決戦後のエピローグが非常に短く、グランドルート全体として見たときにまとまりが悪いのではないでしょうか?
悪い言い方をするなら、エッチシーンとEDのCGをつけただけのようになっているとも言えます。
そんなんでは、読者が物足りないと感じてもおかしくないでしょう。
そして、これが私のTwitterのTimelineを賑わせている、
「続編を作って欲しい」
「キャラの後日談が欲しい」
と発言する被害者を出していると私は推測します。
明らかに最終決戦のヒロインが、グランドルートを形成しています。
グランドEDと他のヒロインのEDで分割していることからも明らかです。
それなら、わざわざグランドルートで分岐させずに、各ヒロインの後日談をExtraで作る方が利口だと思います。(同メーカーの『Missing-X-Link』はそれをやってましたね。意味合いは違いますが)
シナリオ面だけを見ても、FanDisc(FD)を作るにしても、千桃FDレベルのことが要求される厳しい内容ですし、下手するとハピメアFDのように独立した一本のゲームレベルになりかねません。
※本当の問題点は、お金の方だとは思いますが。
正直、作り手側も受け手側も、お互いにとっての不幸を抱えているのではないかと思います。
私としては、エロゲの「完結性」の素晴らしさを改めて訴えたいです。
散々たこ殴りにしましたが、グランドルートの火力の出し方は素晴らしかったです。
前半の伏線を拾って、ひっくり返して上手く魅せてきたと感じました。
特に、グランドルートの次は何が来るんだろうか?と思わせる力の強さは、目を見張るものがあると思います。
今回は簡易版なので、このくらいで。
とにかく私が言いたいのは一つ。
自分が不満に思うことは、しっかり考えて欲しい、という一点です。
ユーザー(読み手)として、より良い作品の受け手になるべきではないか、と私は思います。
そして、クリエイターの方々には、ユーザーにこのような考察を書かせない作品をぜひ出して欲しいとも思います。よろしくお願いします。
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